No.129 2016年9月16日放送(香川) 広野豊さん(広野牧場代表取締役)
今回のFM香川からのゲストは、広野牧場 代表取締役 広野豊(ひろのゆたか)さんです。
香川県木田郡三木町鹿庭地区にある広野牧場の創業は、昭和54年。豊さんの父、広野正則さんが始めた牧場で、豊さんは二代目です。酪農業において香川県内で2番目の規模を誇る広野牧場では、現在、300頭の乳牛のお母さん、19頭の和牛のお母さん、そして約70頭の子牛が暮らしています。
子どもの頃から牧場の手伝いを「嫌々」こなし、それから逃れるために、敢えて異業種の工務店に就職した豊さんでしたが、10年前に地元に帰ってきました。しかし、会社員勤務をした時には「父が手伝いの中で教えてくれたことがすごく大きかったんだと、分かりました。言われた仕事を、いかに臨機応変に、要領よくこなしていくか・・・そんなクセを小さな頃から教えてもらっていた」事に気づけたといいます。
豊さんが香川県に帰ってきた当時は、県内では130〜140軒の酪農家がいましたが、現在では80軒。後継者不足で次第に先細りの酪農業でしたが、広野牧場では色々な取り組みを行ってきました。
牛乳の生産・出荷に留まらず、平成25年には牧場から2キロメートルほどのところに「森のジェラテリアMUCCA(ムッカ)」をオープンし、昨年には琴平に2号店もできました。もちろん、広野牧場で採れた生乳を使ったジェラートです♪
そして、なんとお土産にMUCCAのジェラートを持ってきてくださいました!お味見はやっぱり・・・ミルク!ですよね。まずは一口・・・「ミルクのほのかな甘みが優しい〜!おいしい〜〜!!」「素材の味を出そうと、極力お砂糖を減らしたかったんです。田舎へ来て、ゆっくりした時間の中でジェラートを食べてほしい。」と豊さん。
黒地に白文字でMUCCAと書いたカップがスタイリッシュ。(MUCCAとは イタリア語で「乳牛」のことなんですって)古民家を利用したオシャレな外観が人気を呼んでいます。
三木町で私たちが農業をしていることで、たくさんの人が集まる場所にしたい!と、これまでにも酪農教育ファームとして子どもたちの牧場体験を行ってきました。牛の餌やり、ブラッシング、子牛にミルクをあげたりする触れ合いや、採れたての生乳を使ってバターやチーズを手作りしたり、パン釜でパンやピザを焼いたり・・・と様々な体験ができるようになっています。
「農業を知らないという子ども達でも、小さい頃に農業に触れてその美味しさ・魅力を体験しておけば、大きくなったときに職業の選択肢の一つになるかも知れない」・・・という思いから、広野牧場では農業を軸として子どもも大人もみんなが楽しめる場所として<アミューズメントファーム>というプロジェクトを立ち上げています。
麦や野菜を作る体験をしたり、その作ったものを加工して自分たちで食べる。それをうまく製品にしてお客様に販売できるところまで、子どもたちが体験し、お金をいただいて『ありがとう』と言って貰える体験を!自分たちが一から作ったものを、お客様に喜んでもらえる体験ができれば、農業はもっともっと広がっていきます。そうすると、こどもたちが農業にもつイメージも変わって行くはずなんです!!」
今週のキーワード 『変化』
「今は気候もすごく変化しています。農業においても、牛や種の改良などの育種、機械化などの技術、そしてお客様のニーズも変わっています。その変化を汲み取って、私たちも変化していくことが大事なことだと思います。」
広野牧場、森のジェラテリアMUCCAでは24人が勤務し、県外からの就労者が多いのも特徴です。平均年齢は30.8歳!!力仕事のイメージがあるものの、機械化が進むと同時に機械を取り扱う女性も増えたとのことで、半数以上が女性だといいます。
変わりゆく酪農業。実際に足を運び、自分たちの目で見て体験することから始まる!まさに豊さんが仰った通りですね!
今まで訪れたお客様も多く、さらに「食事が出来るスポットがほしい」という声を生かしたピザ屋さんも来年の春にはお目見えしそうです♪
- 2016.09.16 Friday
- FM香川
- 10:30
- by brillante-fm