No.156 2017年3月24日放送(愛媛) 大萩 康喜さん(尺八 製作者・演奏者)
今回は、尺八の製作者で奏者の、大萩康喜さんにお越しいただきました。
「尺八」…みなさんご存じの楽器だと思いますが、実際に触ったり、演奏したりしたことがある方は、それほどいらっしゃらないのではないでしょうか?大萩さんは、大学時代に「邦楽部」に入って「尺八」と出会い、魅力にひかれ、尺八の道へと進まれました。
「尺八は、自分の息が音に変わるという、気持ちよさがありました。
声っておせばおすほど、たくさん出るじゃないですか?尺八は、声、歌に近い感じがあって、吹き込めば吹き込むほど、全部『音』になるんです。そんな爽快感にひかれました」
そして、尺八奏者の道へ進み、そして自ら尺八を作ようになったそうです。「演奏する中、吹きやすい、自分にあう尺八に出会うことはなかなかないんです。だったら、自分で好みの楽器を作ってしまおう!と思いました」。
愛媛県松山市には、100年以上続く、尺八工房「西田露秋尺八工房」があります。大萩さんは、そちらで、三代目 西田露秋氏のもと5年間修業されました。
尺八は「真竹」で出来ていて、尺八作りは竹を採ってくるところから始まります。真竹が生えている竹林を探し、大萩さんご自身で堀るそうです。
その竹を2年ほどねかせて、中の節をくりぬき、中を円柱型にしていきます。全て手作業な上、竹は1本1本形が違うので、安定した音が出せるように作るには、かなりの技術が必要です。
大萩さんが独立され、尺八製作工房「慈庵」を構えられたのが、昨年8月。本格的に大萩さん作の尺八がデビューするのは、来月4月だそうです。
製作者であると同時に、演奏者であり、指導者でもある、大萩さん。
「尺八の人口を増やしていくことにつなげたい」という思いで、始めて2年ほどになる尺八教室には、現在、20代から80代の生徒さん、10人ほどが通ってこられます。
尺八は難しいイメージがありますが・・・と聞いてみたところ、
「どんな楽器でも難しさはあると思うんです。尺八の、まずは音がなかなか出ない、難しさ。音が出ないから曲にできないのかというと、私はそうは思っていなくて、『音になっていないけど、自分は曲を吹いているんだぞ』、そういう感覚を忘れずに吹くようにと、指導しています。 音が鳴ってないかもしれませんけど、聴いている人にとって音ってなんとなく聞こえていると思うんですよ。それが一番大事だと思うんです。」
実際に尺八を演奏して、教えてくださいました。
大萩さんのキーワードは、「とにかく目の前にあることをがんばる」☆彡
「そんなに大それたことは言えないんですけど、目の前のことを一生懸命頑張ることが一番大事かなと思っています。最初の目標としては、工房が独立したてで、まだ自立できていないので、まずは、自分で素晴らしい楽器を作って、色んな方に演奏していただいて、生計を立てられるように頑張りたいです」。
尺八のことになると、目をキラキラ輝かせて、楽しそうにお話しくださった大萩さんは、現在31歳。これからの活躍を楽しみにしています!
そして4月に、大萩さんが出演される演奏会があります。
「小濱明人 尺八本曲 演奏会 in 愛媛」
4月23日(日)開場13:30 開演14:00
愛媛県松山市 薄墨桜 西法寺
大萩さんのブログは、
http://play-the-shak.jugem.jp/
- 2017.03.24 Friday
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