No.180 2018年3月2日放送(愛媛) 中野 聡さん(田力本願)
今回は、西予市宇和町「田力本願(たりきほんがん)」の中野聡さんに お越しいただきました。
宇和のお米をもっと知ってもらおうと、中野さん達4人の専業農家さんが作った「宇和の男米(おとこまい)プロジェクト」をもとに、2016年10月に「田力本願」として、法人化しました。中野さんが、社長を務めています。
「“田”に“力”と書いて、“男”と読みますね。男の役割として、田んぼで力を発揮していく。田んぼで色々な価値を生み出していく。田んぼを次の世代へ引き継いでいく。そういったことを目標に、男たちの願い、『田力本願』という社名にしました。」と、中野さん。田んぼで、お米、麦、大豆を作っていらっしゃるそうです。
西予市宇和町は、宇和盆地が広がり、古くから米どころとして知られています。ところが、愛媛県内でも、「宇和」、「宇和のお米」が意外に知られていないことを実感し、ブランド化しようと研究を重ね、そして愛媛ならでは、「みかんの搾りかすを肥料にして作ったお米」として生まれたのが、「田力米(たりきまい)」です。
「首都圏の方では、すごく興味を持ってくださるのですが、「じゃあ、みかんの味がするんですか?」という話になるんですよね、みかんの味はしませんし、みかん色もしていません(笑)」。この、みかんの搾りかすを肥料にする過程を、今は、宇和の授産施設で行ってもらい、地域のみなさんと協力して作り上げているそうです。
「宇和の男米プロジェクト」から数えると、6年目。これまで順調だと思ったことは、一度もない、と中野さんは話します。「特に印象に残っているのは、『田力本願』の ロゴマーク“男印”。これができるまで、1年かかりました。」
デザイナーの方と会議を重ね、やっとできたマークだそうです。
「最初私達は、「みかん米」でいいかな?というような、軽い感じもありました。でも、デザイナーさんから「そういうことより、もっと大事なことがあるんじゃないか?」と厳しい一言。でも、深く考えることができました」。
「グループ名にある“男”、男の役割ってなんだろう?」「大事なことは、根っこ。根っこの部分がしっかりしてから、そのあと、見かけなんじゃないか?」・・・考えて考えて、“男印”が完成した時は、とてもうれしかったそうです。
「田んぼで力を発揮するのも男の仕事ですが、田んぼから色々な価値を生み出していくこともしていきたいです。今作っている、米、麦、大豆を使った加工品。例えば醤油、味噌、酒。自分たちで全部作ることはできないので、協力してくださる企業の方とコラボレーションしながらいろんな商品を生み出して、このロゴマークを付けていきたい。これらも全部、田んぼから生まれた価値の1つ1つとして、バリエーションを増やしていきたいですし、つながりの中から、色んな仕事ができたらいいなと思います。」
中野さんの夢を聞きました。
「農業が、憧れの職業になるように、当たり前に農業が選択される時代になるように、基盤を作っていきたいと思います。」「最近、『田力本願』を少しずつですが、覚えてもらえるようになりました。ロゴマークのTシャツ、つなぎ、はちまきを付けていると、高校生から、「あ、田力さん!」と言ってもらえたり、フェリーの売り場のお姉さんからも、声をかけられました。中身もしっかり充実させて、期待に応えていきたいです。」
そんな中野さんのキーワードは、「男」☆彡
「もともと『宇和の男米(おとこまい)プロジェクト』で始まった動きでもありますが、“男の役割ってなんだろう…?”これが、私達の根っこの部分になるので、第一次産業に携わる者として、田んぼを大事に、次の世代へ継承していきたいと思います。」
中野さんが作ったお米「にこまる」をいただきました。大粒で、甘みがあって、男らしい、元気が出るお米でした。改めて、大切にお米を味わいたいなと思いました。
「田力本願」HPは
↓↓↓
https://farmer-inoue.jimdo.com/
「田力本願」のロゴマーク、1年かかって完成した「男印」。「田」と「力」の 絶妙な位置関係、これもこだわりの1つです。
「田力本願」のお一人、梶原雅嗣さんのお米が、このほど、米のおいしさを競う国内最大の大会「米・食味分析鑑定コンクール」の都道府県代表 お米選手権部門で 「金賞」を受賞しました。2年連続の受賞、おめでとうございます!
お米の魅力を、さらに広めていってほしいと思います。
- 2018.03.02 Friday
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- 09:40
- by brillante-fm