No.181 2018年3月16日放送(香川) 田中志歩さん(NGO Aste代表)
Brillante! FM香川からのゲストは、NGO aste(あすて) 代表の田中志歩さんです。田中さんは、現在、香川大学大学院に在学中で、バングラデシュを支援する団体を立ち上げ活動しています。
高校時代から国際協力への憧れがあり、インドなどに行ってみたいと考えていた田中さんは、大学生になった18歳のときに初めてバングラデシュを訪れました。そこで「私もここに住みたい」と心ひかれる場所になりました。先生からの勧めで現地の日本語教師となり、少数民族の学校で一年間勤めたのです。村の人たちと関わるうちに「私も何かできることはないか」とバングラデシュの人たちと一緒に作った団体が aste(あすて) でした。
日本の約4割の国土面積でありながらも、国の至る所に人がたくさんいる人口密度の高いバングラデシュ。諸説ありますが47くらいの民族が暮らしていて、田中さんが主に活動している地域では、11〜13の少数民族がいるそうです。民族が違えば、言葉や宗教、食べ物も違っていて、それぞれの民族は共存しようと頑張っているところなんだ、と田中さんは言います。
asteはこれまでに、1997年まで政府と紛争していたために教育支援が遅れている地域に、奨学金事業や、得意な織物での商品作りの手助けをして「働く」モチベーションを大切にするような支援をしてきました。また日本国内では、学校などでの講演や、バングラデシュの人達が作った商品の販売などの活動を行っています。
(田中さんのバッグ(中央)は現地の織物で作ったもの!カラフルで可愛い!!)
そんな中で、日本からも「バングラデシュに行ってみたい」という人たちも増え、3月中旬からasteの活動としてバングラデシュ行きが決まりました。今回の目的の一つは、大学院生サポートメンバーと現地での交流。そして、その後は田中さん独りで「クミ族」の人たちがどういう生活をしているのか、教育事情などを研究することが目的です。
少数民族であるクミ族は、2008年データによると、非就学率が88%。バングラデシュ国土全体の就学率は9割近くある中での、そのような状況がどうして作られたのか、、、、それは紛争があったため、なのか山などの地形によるもの、言語の違いなど、様々な要因が考えられる中で何が本当の要因なのかを調べることが田中さんの研究テーマにもなっています。
農業という選択肢しかないような状況でも、グローバル化の波は確実に押し寄せています。そこには学校があって、教育もあっていいのかな、という気持ちで臨んでいるそうです。田中さんの言葉の節々に、クミ族の人たちへの思いやりが感じられます。
彼等は家も自分たちで作るし、すごいんですよ〜とニコニコ楽しそうです。
2000人ほどのクミ族の人たちの歴史や、生き方、暮らし方を一緒に活動していく中で知りたいし、どんな教育がいいのかを考えていきたい、そしてクミ族の文化を後世に伝えて行くのが、私の夢なんです。と語ってくれました。
今週のキーワード「曲がる」
「悩んだりつまずいたりしながら一歩一歩頑張ってきました。それは、思った通りの一直線ばかりじゃなく、まがったり立ち止まったりしながら活動してきたので、その「ありのまま」が私たちの活動のテーマにもなっています。」
そんなasteの団体活動が、写真パネル展として高松市民活動センターで3月31日まで紹介されています。2017年8、9月 田中さんの撮影したクミ族の人たちの写真です。日本ではなかなか見る事の出来ない貴重な写真を田中さんのコメントとともに見る事ができます。
年に二、三回はバングラデシュを訪れているという田中さん。今頃は「おかえりなさい!」とたくさんの笑顔に迎えられていることでしょう。
今後の活動は、asteのホームページ http://aste.astebangla.net をチェックしてください。
- 2018.03.16 Friday
- FM香川
- 10:20
- by brillante-fm