Brillante! for SDGs

No.200 2019年1月4日放送(愛媛) 菊池 俊一郎さん [菊池林業]

 2019年1回目の今回、番組はちょうど200回目を迎えました。

これから、四国でがんばるみなさんを応援していきます!

 

さて今回は、「菊池林業」代表の菊池俊一郎さんにお越しいただきました。

菊池さんは、愛媛県西予市三瓶町で、林業を営まれています。

「林業」と一口に言っても、具体的にはどのようなお仕事なのでしょうか?

「山に行って木を植えて育てて、育ったものを切って、それを丸太にして売って生計を立てるということが、林業の仕事です。」と、菊池さん。

 

愛媛県は、全国で10本の指に入る「森林県」であること。さらに、ヒノキの生産量が全国トップという、「林業県」であることを、菊池さんは教えてくださいました。

「媛すぎ」「媛ひのき」といった県産ブランド材や、乾しいたけの産地としても、愛媛県は有名ですね。ただ、全国的に、木が植えられた山は多いのに作業する人、従事する人がいない。労働力が不足しているという林業の現状は、愛媛県でも同じだそうです。

 

そんな中、菊池さんは、ご自身の林業のほか、林業をされている方達のスキルアップのためや、山を持っていて林業をしてみたいという人、さらには子ども達にも林業の指導を行っていて、現在は「愛媛県林業研究グループ連絡協議会」「西予市林業研究グループ」それぞれの会長としても活動されています。

 

「林業はものすごく長いスパンで考える必要があるので、次世代の育成が必要になってきます。子ども達がいずれ大人になって仕事をする時、林業に目を向けてもらって、選択肢の1つに入れてもらえたら、持続された形で山の管理ができるな、と思って」。

特に子供向けには、幼稚園や小中学校で、森林環境教育や、木工教室などを行っているそうです。

 

林業を営まれてきたご家庭に生まれた菊池さんは、幼い頃から「山が遊び場」という環境で育たれたそうです。東北の大学を卒業後、故郷の愛媛・三瓶へ戻り、自然と林業に就いたとお話しくださいました。

 

「僕が始めた時期は、バブルがはじけた頃なんです。当時は木材は高かったんですが、後継ぎがみんな山から離れていった。だから僕は恵まれていて、本来、親世代が我が子に林業の技術を伝えるべきところを、僕が、我が子に代わって教えていただけたんです。僕は父以外に4人師匠がいて、他にも指導者はたくさんいます。僕の20数年の経験の後ろには、延べ260年くらいの経験、知識があるんです。ありがたいことです。」

 

たくさんの方から教えていただいたものを取捨選択して、オリジナルのスタイルで林業を営んでこられた菊池さんは、木の上に上がって木をさばく「樹上作業(じゅじょうさぎょう)」にも取り組んでいるそうです。

「特殊伐採」とか、地域によって「空師(そらし)」と言われたりする、樹上作業。山の中とは違い、すぐ横に家がある場所や神社仏閣などでは、木に登ってチェーンソーを使ったりします。作業を危険なく安全に行うために、菊池さんは、「ツリークライミング」という、ロープを使ってきちんとした手順で木に登る技術を習得されました。

 

「ツリークライミング」は、アメリカで開発された、樹木を管理したり保存したりするための木登りの技術で、仕事の作業としてだけでなく、木や自然と安全に触れ合うレクリエーションにもなっています。ISA(International  Society of Arboriculture)という、ツリークライミングの世界組織があり、日本には今から20年ほど前、伝えられました。

菊池さんは、このISA認定資格「ツリーワーカー」を取得。全国でも100人に満たない、四国では現在ただ1人の「ツリーワーカー」としての顔も持ち、新たな取り組みに動きだしています。

 

「西予市が、昨年4月から『ウッドスタート宣言』を始めました。赤ちゃんが生まれたら地元産の木のおもちゃをプレゼントして、木のある子育てを推進する活動で、子どもから大人までが林業に力を入れようという動きです。その一環として、『ツリークライミング』の子供向けイベントを、まずは地元から始めたいなと。ゆくゆくは、県内で一番人口の多い松山あたりで、木で遊べるレクリエーションができたらいいなと思っています。

木に登ることは、危ないというイメージがあると思いますが、僕達の仲間がこれまで20年、全国で30〜40万人の方に木に登ってもらって、誰一人として事故は起きていない。それだけ安全には担保された状態でしていますので、そういうことも伝えていきたいです。

せっかくこれだけの山や資源がある所に住んでいるんですから、そこで家族や子供が戯れる場所があってもいいかなあと思うんですよね。」

愛媛に新しい風が吹きそうです。

 

林業の一番の魅力はなんでしょうか?聞きました。

「見てればいいっていうことじゃないでしょうか。」

・・・・え???

「山の仕事、木の仕事は、一朝一夕で何かしらできることではないんです。私が切った木は、自分が植えたものではないし、自分が植えた木は、私が切られるわけではないし。その間、何をするかと言えば、ただ見てるだけ。見てると、木は光合成をして1日で少しずつ大きくなって、1年たつと年輪が1つ増える。それをただ見てるだけなんです。おおかたの仕事は、どれだけ自分が手をかけたかで結果が出ると思いますが、僕らは、木の成長のお手伝いをしているだけなんです。これは子育てと似ていますね。親は、その子の自我を形成させるのではなくて、子どもが危ない時には手を貸し、横で手助けしながら大人になるのを導いて、見てるだけ。僕も親として、そうなんですよね」。

菊池さんは、木々をわが子のように見守っているのだろうな、と感じました。

 

菊池さんの夢を伺いました。

「ただのおじさんになりたいです。」

またまた、え???

「僕はたまたま多くの方に支えられて色んなことを学んだから、今、色んな人に教えていますけど、その教えた人達が育って、レベルが上がって、僕を超えていく。そうすると、僕はそこにいる、ただのおじさんになれる。叶ったらいいんですけどね。」

林業にもっともっとたくさんの人に就いてほしい(*^-^*)。そのために、日々県内外で、林業の魅力を伝えていらっしゃるんですね。

 

そんな菊池さんのキーワードは 「ワン、ツー、TREE(ツリー)☆彡

「ツリークライミングのレクリエーションで集合写真を撮る時、みんなが笑顔になるんでこの掛け声を使うんですけど、やっぱり僕達は木に関わっていて、木を糧にして生活もしているけど、木と共生しなければならないそんな意味合いもこめました。」

 

「林業は、子どもを連れて行くことができる、数少ない仕事だと思います。」あったかい笑顔でお話ししてくださいました。

菊池さんの活動は、Facebookでも見ることができます。

https://www.facebook.com/shunichiro.kikuchi.1

 

こちらの本をはじめ、林業関連の書籍に菊池さんは執筆されています。菊池さんならではの林業のノウハウ、経験談なども掲載されています。

一度手に取って御覧ください。

 

林業の魅力、菊池さんの想いがたくさんの方に届きますように、応援しています☆彡



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