No.217 2019年9月20日放送(香川) 一般社団法人 小豆島スポーティーズ専務理事 渡部勝之さん
Brillante! FM香川からのゲストは、一般社団法人 小豆島スポーティーズ 専務理事 渡部勝之(わたべかつゆき)さんです。

2017年11月 小豆島で、初めての男子プロバスケットボールBリーグ ファイブアローズの公式戦が行われました。その当時、地元の新聞やテレビでも話題になりましたが、それを実現させたのが、渡部さんです。
その年に行われたキャンプでの要望から、超満員の開催日までの努力と工夫がたくさん詰まっていました。(渡部さんご自身の口からは、努力という言葉は出ていませんが、それがまた素敵なところです)
初めての試みなので、お金を払ってスポーツ観戦をすること自体、ハードルの高いことだったと渡部さんは振り返ります。
まずは、子供達に見て欲しい。そのためには、大人の本気を見せないと、見に来てはくれない。それなら、大人が本気になって一人の子供を呼ぼう!とバスケファンや、島の人たちが子供達のチケットを購入してくれました。そして、子供達を招待する。その招待券は、ファイブアローズの選手達一人一人が、子供達一人一人にメッセージを書いて送る。その数、なんと1700にも及びました。書いた選手とは、触れ合える時間も作りました。選手達も本気です。
ファイブアローズのチームカラーは、黄色。当日は、チームTシャツを配って、会場を黄色一色に染めました。そこには、選手達にはチームカラーに染まった満員の会場でプレーして欲しい、という願いが込められていました。それだけでなく、来たお客さんが自分もチームの一員と感じられるような、一体感や楽しさを生み出したのです。二日間とも満員御礼となりました。大成功です!!
2回目となった今年の2月公式戦では、「みんなで作る」をテーマに、自分たちで作っていこうと、参加団体それぞれのカラーでの応援となりました。3回目の来年は、またさらに進化していくようです。
一体どうやって人集めをしているのか、疑問をぶつけてみました。
小豆島の人口は、2万7千人だから、どこかで誰かが繋がっています。関わってくれる人、作り手が多ければ多いほど拡散力が早いんです。ネットもポスターも見ているだけだったのが、自分の仲間が関わってくると意味をなすようになります。自分ごとにしていく。関わり手をどれだけ増やすか、ですね。
実際に、ファイブアローズの彼らが来てくれたことがきっかけとなって、選手になりたい、応援しているチアになりたい、と子供達が夢を明確に示してくれました。スポーツがきっかけとなって、一緒にイベントを作ったり、みたり、楽しんだり、とみんなで関われるコミュニティを作りたいんです。
スポーツで食べていける人材を増やすため、小豆島スポーティーズを立ち上げました。もちろん、ファイブアローズを応援していくことは変わりません。そして、小豆島にご当地プロバスケチームを作りたい、と小豆島STONESが5月に活動スタートし、来年は地域リーグ参入を目指しています。
チーム名は石?・・・そう、小豆島は石の文化が素晴らしいんです。昔から島の人たちがみんなで石を切って、切り取られた石が大阪城の石垣として、そこの礎になっている。一方、残った石は残念石と言って、残ってもこの島で一つの存在として価値がある。この島の石には、ここから育って世にでる、ふた通りの種類があるんです。小豆島の石のように・・・。
夢中のきっかけさえあれば、人が変わっていくのを見ていける。そして、それを作るのに夢中になれる。「夢中」の言葉の本質をわかって、小豆島スポーティーズを始められたんです。
小豆島スポーティーズの理念は、「夢中のキッカケを作り続ける」今まである文化にプラスしていろんなスポーツに出会えるきっかけを作り続けたい。ファイブアローズの現役時代から、ずっとあり続ける難しさを感じていた渡部さんらしい言葉です。
子供達のすぐ横にいて、選手が進んでいる姿を見て、子供達は追いかける。当たり前の環境としたいですね、まるで柿の木みたいに。ずっとここにある、ずっと実を作る存在。
夢中のキッカケを作り続ける小豆島スポーティーズ。日に焼けた笑顔で奔走する渡部さんの周りには支えてくれる、応援してくれる、仲間が次々と集まっています。

- 2019.09.20 Friday
- FM香川
- 10:52
- by brillante-fm