No.9 2014年5月30日放送(香川) Roots Books代表・小西智都子さん
ブリランテ今週のゲストは、香川の小さな出版社「ROOTS BOOKS」代表の小西智都子さんです。
根を広げ、葉を茂らせた一本の木が描かれているROOTS BOOKSのマーク。これは、土地の根っこを生やす役割になりたい、という出版社を立ち上げたときからの願いが込められています。
4年前の2010年に立ち上げ、初めて手掛けた雑誌が香川県の島について書かれた「せとうち暮らし」。この春からリニューアルして、瀬戸内海全体に範囲を広げ、ページも倍くらい増えました。瀬戸内海全域の島の魅力が詰まっている絵本のような表紙は、なんと「消しゴム版画」で作られたもの・・・こちらは創刊号から変わらず、穏やかで優しい瀬戸内海の水面を思わせます。また、手触りの良い紙も手作り感のある小西さんのこだわりです。
子供の頃から海辺で育った小西さんにとって、当たり前のようにあった瀬戸内海ですが、取材で島々を巡り歩いていると、瀬戸内は恵まれた島であることを痛感したという小西さん。当たり前のものの中にこそ本当の幸せがあるのかもしれないと気づいて、「瀬戸内海に暮らす幸せ見つけにいこう」というROOTS BOOKSのコンセプトが生まれ、それがそのまま、そこで暮らしている私たちへのメッセージになっています。
島への取材は連絡手段一つとっても時間がかかるもの・・・立ち上げからの四年間は「怒涛の毎日」でも苦労は感じていないとおっしゃいます。携帯電話やメールにインターネット。すぐに誰かとつながれる時代だけれど、顔と顔を合わせ、じっくりと丁寧に磨き上げられ、何度読んでも色あせないページが連なって、宝物のような一冊になりました。
今週のキーワード 「ものさし」
生き方のものさしを作る「本」を作りたい・・・そんな思いで立ち上げた出版社・ROOTS BOOKS。
住む場所や地域によっても、ものさしは違うものだからこそ、自分たちが見聞きしたものを自分たちの手で、自分たちの「ものさし」で伝えていきたい。それがROOTS BOOKSの変わらぬ使命なのだと語る小西さんの瞳は、海風にそよぐ新緑のように、キラキラ輝いていました。
- 2014.05.30 Friday
- FM香川
- 13:40
- by brillante-fm