2024年1月5日放送分ネット配信
- 2024.01.06 Saturday
- ネット配信(土曜日更新)
- 00:00
- by brillante-fm
今回は
SDGsの目標3「すべての人に健康と福祉を」などに繋がるお話です。
ネイルビジネスエンターテイナー 福祉ネイリスト協会認定講師 フレンチ〜ノ三好さん をお迎えしました。
『皆さんボンジュール!フレンチネイルをこよなく愛するフレンチ〜ノ三好です。よろしくお願いします!』
2024年1回目の放送にふさわしい、明るく晴れやかな笑顔での決めポーズと華やかなビジュアル。
トリコロールカラーの衣装でスタジオにお越しくださいました。
フレンチネイルは爪先にスマイルラインという白い線が入っているシンプルなデザインのことです。
「一番女性らしく見えて品格が高い、最高のアートなんですよ。にっこりしてるように見えるので、スマイルラインと言われています」
三好さんの肩書は多種多様。有限会社ネイルチック取締役副社長、ネイルアーティスト学院講師、ネイル用品専門ショップTAT松山店店長、巻爪矯正師、そして柔道整復師に司会業まで!とにかく幅が広いんです。中でも、ここ数年注目を浴びているのが「福祉ネイル」。三好さんご自身「福祉ネイリスト」であり、認定講師として福祉ネイリストを輩出しています。ネイリストといえば、ネイルサロンでお客さんの来店を待つことが通常ですが、「福祉ネイリスト」は、有料老人ホームやデイサービスなど高齢の方がいる所へこちらから出向いていく「訪問型のネイリスト」ということです。
「『福祉』とつくとちょっと華やかなイメージがない、っていうのは言い過ぎかもしれないですが。生活から彩りが少しずつなくなってきたり、これまで美容室やネイルサロンに普通に行っていたけれど足が痛いなどの理由で外出がしんどくなってきたりして、でもおしゃれを楽しみたいという方にとても喜んでいただけますし、それ以上にびっくりするようなことが起こるんです、僕たちは『ネイルの魔法』と呼んでいますが」
「福祉ネイル」は今から12年ほど前に大阪・岸和田で生まれました。現在の協会理事の荒木ゆかりさんがある施設に行ってネイルをした時、1週間笑顔も会話もなかった方がネイルをした瞬間に「嬉しい」と言ったり、にっこり笑ったり、周りも驚くようなことが次々と起こったそうです。この出来事をきっかけに少しずつ広がり始めた「福祉ネイル」は、その後、吉備国際大学助教授で現在は東京通信大学人間福祉学部(総合人間コース)の佐藤三矢教授によって世界で初めて、認知症の予防と改善にネイルが一番効果があったという研究結果、エビデンスが出されたことからさらに全国に拡大。四国では徳島県美馬市で今年度から「人生100年時代を美しく健康で暮らすことのできるまちづくり」の取り組みの一環として、市在住の福祉ネイリストによる福祉ネイル事業が始まっています。
「まず僕たちネイリストが行くことで日常と違う華やかさやわくわく感を感じてくださって、普段ご自身にあまり気を使わない方がお化粧したり素敵なお洋服を着たりして待っていてくださいます」
福祉ネイルは「20分で10本の指のカラーリングと1本のネイルアートの手書き」がきまりです。この20分間に相手の話を聴きながら、また福祉ネイリスト自身の綺麗にした爪を見て『その爪かわいいね、見せて』というやりとりでコミュニケーションもとりながら仕上げていきます。福祉ネイリストは色の勉強をしているので、会話の中から「今日は元気が出るように交感神経を活性化、優位にする明るめのレッドやピンクを選ぼう」とカラーセラピーも合わせて行うそうです。
「爪を綺麗にすることで自律神経が整って、そういうところから認知症の予防や抑制につながる。これからの日本は認知症の人が爆発的に増えると言われていますが、ネイルすることでこれが収まったら、僕は国益に繋がると思っています、医療費も抑えられますから。まずはネイルを塗ろうって思っています」
昨年9月に愛媛で開催された「2023中国・四国パラ陸上競技大会」では福祉ネイリストが集まり、選手や関係者にネイルでエールを届けました。
「福祉ネイリストは、ご高齢の方だけでなく障害をお持ちの方にもネイルの良さをお伝えしています。選手の方はネイルをすることで記録まで伸びるという、そういうことも実際起こっています。色の力を使いますが、赤は興奮色なので真っ赤にお爪を塗ると交感神経が活性化されます。これはエビデンスはないのですが、実際ネイルした選手の方から『今日はちょっといつもと違った』と言っていただいたこともあります。オリンピックで昔、ジョイナーさんが真っ赤っかな爪で走ってましたけど世界記録出ましたよね。カラーセラピーの力でネイルを使っている方もいらっしゃいます」
三好さんの未来に向けたメッセージは
「僕たち福祉ネイル協会は、ネイルをすることによって介護保険が使える世の中を目指してます。ネイルをすることによって認知症の予防と改善ができれば、本当に良い世の中、良い世界になると思っているので、もっともっとネイルを広げていきたいと思ってます。」
「ネイルを1回すると、国や県、市から補助金のように1000円でも2000円でも応援してくれるような、そういう世の中ができてくると、もっともっとたくさんの方にネイルをしていただけると思うんです。今皆さんの周りにおじいちゃんおばあちゃんとか大事な人がいたら、まず爪にマニキュアだけでもいいから塗ってあげてほしいんですね。絶対元気になってもらえるので。僕もじいちゃんばあちゃんが認知症になってすごく悲しい思いをしたことがあるんです。その時にネイルを塗って元気になるって知っていたら塗ってあげていたのですがそれができなかったので、恩贈り。自分ができなかったことを、次の方たちに伝えていきたいなと思っています」
フレンチーノ三好さんの活動は
Instagram https://www.instagram.com/frenchino.miyoshi/
Facebook https://www.facebook.com/hiroyuki.miyoshi.944/
で御覧になれます。
今回は、
SDGsの目標11「住み続けられるまちづくりを」に繋がるお話です。
高知県香南市赤岡町で活動している土佐絵金歌舞伎伝承会。
「絵金の魅力やまちの文化をたくさんの人たちに伝えたい!」という想いで、
絵金の芝居絵屏風に描かれた演目を自分たちの手で演じる団体です。
絵金とは・・・江戸時代末期から明治にかけて活躍した絵師 弘瀬金蔵のこと。
赤岡町の絵金蔵には、23枚の屏風絵が収蔵されています。
最近では、地域の子どもたちが絵金歌舞伎に参加してくれる機会も増えたそうですが、
子どもたちが演じるうえで必要不可欠な「かつら・小道具」が不足しているそうです。
これまで、芝居に必要な小道具は全て手作りし続けてきましたが、
子ども用のかつらを手作りする事は難しく、タオルを巻くなどして
無理をして大人用のかつらを使っている状態だそうです。
なんとか子どもたちのために良い環境を整えてあげたい!という想いから、
今回クラウドファンディングに挑戦しています。
第一目標は、300万円。支援募集期間は、12月25日までです。
http://readyfor.jp/projects/ekinkabuki
未来へのメッセージは
「ちびっ子役者の願いを叶えたい!」
土佐絵金歌舞伎をこれからも守り、次代に繋いでいくために
皆様からのご支援をお待ちしています!
今回は、
SDGsの目標8「働きがいも経済成長も」などにつながるお話です。
株式会社パッケージ松浦の代表取締役社長 松浦陽司さんをお迎えしました。
松浦さんのお仕事は「パッケージマーケッター®」!
世界中で松浦さんが初めて!そして唯一!の「パッケージマーケッター®」なんです。
それもそもはず、パッケージを売るという仕事を伝えるために
松浦さんが考え、生まれた言葉だから。
自分しか「パッケージマーケッター®」を名乗っていないぞ...!?と気づいて
すぐに商標登録を行い、世界初!世界唯一!となったんです。
そんな松浦さん曰く、
商品が売れるかどうかは『パッケージで100%変わる』そう。
例えば、↑の焼肉のたれ。鳴門市のおばあちゃんが作ったものです。
どうすれば売れるか相談を受けた松浦さんは、ラベルを見てびっくり!
『食欲がなくなりそうです!』と思わず言ってしまったラベルは
鳴門の渦潮の青色が目立ちに目立っていました。
松浦さんは、これを一新!
食欲減退色の代表とされる青色はやめた上で、「焼肉のたれ」と書くこともしませんでした。
その代わりに書いたのが『今夜は焼き肉じゃ』の文字。
なぜこのたれを販売しようと思ったのかをおはあちゃんに尋ねたところ、
孫が『やったー!今夜は焼き肉じゃ!おばあちゃんのたれで焼き肉じゃ!』
と喜んでくれたことがうれしくて...と語ったエピソードをそのまま商品名にしたんです。
これが売れに売れました!リニューアルして以降、売り上げが8倍もUPしたそうです。
おばあちゃんは、85歳の時に、『まだまだ5年や10年現役じょ!』と笑顔で話していて、
松浦さんは売り上げUPが働きがいにつながるということを強く感じたそうです。
ほかにも↑の梨のパッケージもデザインしました。
おおよそ梨が入っているようには見えない赤い箱には、大きくダルマが描かれていて、
とっても縁起が良さそう。「合格祈願」という文字もあります。
そう、この商品のネーミングは『合格間違い梨』!
これは、2014年の台風で大きな被害を受けながらも奇跡的に強風に耐えて
木から落ちなかった新高梨を、
学業成就で有名なお松大権現で祈祷してもらった箱にお守りと一緒に入れたものなんです。
『縁起がいい!』『受験生がいる家族知人に送りたい!』と全国から注文があり、
これまた売れに売れました!
松浦さんが提案したパッケージが、
台風被害で辛い思いをすることになった生産者さんが利益を得ることにつながったんです。
パッケージで商品の売れ行きは変わる!
その売れ行きは、働く企業、生産者、従業員の働きがいと比例するからこそ、
パッケージはSDGsに大きく貢献するものなんですね。
松浦さんの未来に向けたメッセージは
正しい情報を自分で選択する
いま、パッケージというと、脱プラスチック、減プラスチックが叫ばれています。
松浦さんも、生産者さんの作業現場を訪ねて、
長さが合っていないから、とただ捨てられていくプラスチック袋の切れ端を見て、
そもそも袋の大きさを変えてオリジナルのものに替えようと提案するなどして
減プラに取り組んでいます。
しかし、プラスチックってそんなに悪いもの?ということも発信しています。
プラスチックは適切に分別すればリサイクルができるもの。
しかし、プラスチックは悪!という思い込みで、
合わせて紙を使うのがいいという考え方をしている企業もあるというのです。
法律ではパッケージの比重のうち51%以上が紙であれば紙マーク表示ができるそうです。
外側は紙だけど、内側はプラスチックというパッケージを見たことがある人もいると思います。
この、ぴったりくっついた紙とプラスチックはもう分けることはできません。
つまり、もうリサイクルができないということ!燃やすしかないんです。
確かに減プラにはなるけれど...本当にエコ?本当にSDGs?
プラスチック袋があるからこそ賞味期限が飛躍的に伸び、食品ロスに大きく貢献していますし、
私たち消費者は食品を埃まみれでない安全な状態で手に入れることができています。
プラスチックがもたらす恩恵を今一度省みて、
製品を購入する私たち消費者も責任ある選択をしなければいけない、ということを
考えさせられる時間でした。
松浦さんはパッケージに関する講演を行なっているほか、著書もあります。
商品を売る側も買う側も、パッケージについてもっともっと知っておくべきと感じました。
参考にしてみてください!↓↓
Brillante! For SDGs 今回はFM香川から
目標4「質の高い教育をみんなに」につながるお話。
ゲストは、株式会社まんなか 代表の三木えりかさんをご紹介します。
株式会社まんなかでは、乳幼児の発育・発達をサポートする【ははこと】食を通してお母さん方のメンタルをサポートする【しみこむ】未就学児童の発達支援を行う【みつける】という三つの事業を行っています。
障がいを持って生まれた弟さんの存在が大きいという三木さんの原点。そして、個人も社会もウェルビーイングな状態になることを目指している三木さんの考えや行動の基盤になっているのは、ヘルスプロモーションだそうです。
ヘルスプロモーションとは、自らの健康をコントロールし、改善できるようにするプロセスであり、ウェルビーイングとは、「身体的・肉体的・精神的・社会的に完全に満たされた状態」ということ。
―臨床に長く携わり、歯科衛生士として子供たちの虫歯予防、歯周病予防や訪問診療などでの接触嚥下のお手伝いをする中で、予防だけではなくて本当に必要な事は何かを考えるようになりました。食育や食事は簡単なことではなくて、ヘルスプロモーションとして獲得して、自ら選べるようになるのが必要です。食べること、一人一人の健康が大事で、その食べ物は身体やメンタルにも影響します。食を考えることは、農業や環境についても考えることで生き方にもつながると思い活動が広がっていきました―
最初に立ち上げた【ははこと】は、生後1ヶ月から3歳までの親子で参加する乳幼児教室で、運動機能や食べる機能に関する悩みに対して具体的に実践できるアドバイスをしています。この「具体的に」というところが、悩んでいるお母さん方の強い味方になっているようです。そこでのお昼ごはんが人気になり、いつでも食べられるようにカフェにしたのが【しみこむ】自然な甘みをいかした体に優しい料理で、くつろぎながら食事を楽しめます。小さなお子さんと畳スペースでゆったり過ごすことも、ハイハイするこどもさんにもうれしいですね。
そして、【ははこと】よりももっと手厚いフォローの必要性から、児童の発達支援の【みつける】をたちあげました、就学前のお子さんの療育機関で、運動発達や生活に欠かせない動作、対人スキル、感情の取り扱いなどなど子供たちの生きる力を培っていくこと、
子どもの向き合い方やアドバイスの仕方、お母さんも学んでもらっているそうです。
この三つの事業は 香川県の綾川町の畑田地区にあり、窓からは琴電の電車が走る様子も見えて子供たちも大喜びなんだそうです。
そんな三木さんの未来へのメッセージは
実践し体感するには、自分の在り方やどう生きるかが問われ、言葉の意味を何度も反芻しながら私も徐々に体得している途上です。自分の子育てを通して、会社の代表として、12人のスタッフとともに、依存のないように相手も納得するのが大事であって、みんなでできるようになって学んでいっているところです。一人一人のスキルアップよりも、根底の考え方や理念の共有をすることが、難しくもあり、面白いところ。そこがないと、本質にたどり着けないと思っています。
子どもを産んで育てる、誰かと共に生きる、悩みや苦しみ、いろんな事を含め、社員はもちろん、お母さんお父さん、障がいのあるなし、男女問わず、産んでいるいないに関わらず、一人一人のウェルビーイングにこれからも寄与していきたいと思っています。
色んな苦手なことがあるのは個性として当たり前。そんな風に思っていたことも、三木さんとお話していく中で、運動機能や姿勢、体幹を鍛えるには栄養が大事だということ。栄養が欠けても、運動が欠けてもだめで両方が大事であることを、丁寧に見ていく話をするということ。そして、楽しくないとのびない子供の気持ちだったり、嫌いな事や苦手なことでも挑戦してみよう、という気持ちに働きかけたり・・・
「医療と家庭の間」という三木さんの立ち位置、そしてお話するごとに「ヘルスプロモーションでウェルビーイングを目指す」という言葉がしっくりきました。
子どもだけを見ていてもだめだし、全体的なバランスをみて、その本質を知る事が大事でシームレスに取り組んでいる姿が印象的でした。
もっと自分の体の事を、知ろう、考えよう、取り組もう!
まさにSDGsの目標4「質の高い教育をみんなに」につながるお話でした。
その思いを、まんなかのみなさんが日々取り組んでいらっしゃる姿が目に浮かびます。
今回は
SDGsの目標14「海の豊かさを守ろう」などに繋がるお話です。
一般社団法人E.Cオーシャンズ代表理事 岩田功次さんをお迎えしました。
「EはEARTH。CはCLEAN。地球、海を綺麗にする団体がE.Cオーシャンズです。私が高校生にデザインの授業をした時、1人の生徒が名付けてくれました。頭文字をとったら『ECO』なんだよね。」と岩田さん。
海と言っても岩田さんが清掃する場所は、無人島や船でしか行けない秘境の海岸や浜辺です。危険な作業のため、全国各地に在住のメンバーも、マリーナ経営者やダイバーなど、いわゆる「プロ集団」。ゴミ拾いイベントの時には絆会員(危険を伴うため子供や高齢の方以外の会員)が全国から集まり、特別船で現地まで行って、船に載らない大量のプラスチックごみを船で引いて運びます。
岩田さんの本業は、サインデザイナーです。愛媛県八幡浜市を拠点に案内図や看板など「サイン」のデザインを長年続け、日本サインデザイン協会の理事を14年程務めました。一方で、20代の頃から自然環境保護に力を入れ、山や川、生き物を守る活動や身近な海岸の清掃活動を行ってきました。そんな中2016年、知人の情報で愛媛県佐田岬半島の御所ケ浜が「ごみ浜」と化していることを知り、岩田さんは想像を絶する海ごみ汚染の実態に大きなショックを受けました。
「160メートル続くごみ浜でした。海岸に発砲スチロール、カキ養殖パイプ、マイクロプラスチック(大きさが5mm以下のプラスチック)、ありとあらゆる生活ごみが2メートル程山積みになっていました。さらに奥の林は拾える状態ではありませんでした。このごみが僕へのサインに見えて・・・」
すぐに船で南予方面を2泊3日調査したところ、岩田さんは260か所ものごみ浜を見つけました。そして、御所が浜と同じような状況が宇和島や愛南などにあることに危機を感じて、敢えて人が行きにくい秘境を中心に、本格的な海ごみ清掃にとりかかり始めました。
「こんなごみを未来の子どもたちに残すわけにはいかないでしょう」
無人島や秘境での清掃活動は、天候、臭いや汚れ、マムシなど動物もいて非常に危険で過酷な作業です。船やトラックの費用もかさむため、活動を継続していくためにボランティアでなく事業化しようと2018年に「E.Cオーシャンズ」を立ち上げました。
これまでに瀬戸内海全域・佐賀から大阪までの漂着ごみ調査、ごみ拾い、ごみ浜の調査を繰り返し、佐賀から山口まで70か所、瀬戸内海全体では1500か所のごみ浜を発見しました。
「活動を初めて8年目になりますが、実際に拾えたごみ浜はまだ57か所です。淡路島、倉敷、広島、山口、愛媛。2トントラック1000台分、50トンの発砲スチロール、ペットボトルを拾いました。ただ僕たちは、浮くゴミ、軽いごみだけしか拾えないんです。卵のパックやお弁当の蓋、ナイロン袋などほとんどは海底に沈んでいます。なかなか辛いです、ごみ問題は」
ゴミの状況を見ると、問題が見えると岩田さんは話します。農業で使う肥料のプラスチック製カプセルのごみが非常に多いこと。コロナ禍ではマスクやお弁当の容器、アウトドアブームで海岸を訪れた人がそのままにしたごみが多かったこと。台風の影響でアジア大陸からごみが流れてきたこと。マイクロプラスチックごみを拾う道具も手作りしましたが、実際には多くが漂流していて全然拾えない状況など、
「たった数年の活動で偉そうなことは言えませんが、あのすごいごみを見ていたら、もう本当に参った。あのゴミも未来に残すしかなくて情けない。20代ならまだやれるのに、私のこの過酷な危険な清掃活動はあと5年ぐらいで終了でしょう。あと100トン拾えるかどうか。でも、マイクロプラスチックまでずっと拾い続けたいです。」
「海のごみの8割が陸地、街から流れて来ています。 関東の方が『瀬戸内海のゴミの状況はひどいね』と言いますが、いやいや違うよって。瀬戸内海は閉鎖性海域だからゴミが残っているだけで皆さんのゴミは冬の北西の風によって太平洋に全部流れるんだよって伝えます。そうなると拾えない。全国、世界中の問題なんです」
漂着しているごみは拾えますが、漂流しているごみは拾えません。
今の瀬戸内海は状態としては悪いですが、ごみが漂着して集まる所に船で行くから効率がよく、拾えるチャンスがまだあるということです。行政も動き出していて、今からは、身近な海岸はそこに住む近くの人や土木事務所、建設会社などが担当して、人が行けない危険な所は岩田さんたちが清掃するように棲み分けしたらいいのではと考えているそうです。E.Cオーシャンズの活動を広げて続けるためにプロ集団をつくる必要があると、関係各所に働きかけているということです。
「社会や私たちが知らない場所にゴミがあることが社会問題。今の社会では解決できないからそこにゴミがある。解決できないなんて言わずに、社会を変えられるように伝えられるようなことができたらいいなと思います。
僕は未来にあのゴミを残したくないからやってるけど、子どもたち孫たちのことを考えたら、あんなゴミだらけの海や地球って嫌ですよね。やっぱり綺麗な海をそのまま未来に繋げたい、そういうふうなことをいろんな人に感じてもらいたいんです。
社会が変わる前に僕が動き始めた。動いたのを見て色んな人が応援してくれ出した。ありがたいです」
岩田さんの未来に向けたメッセージは、
「ごめんね。あとは、あなたに任せた。」
「だってみんなが捨てたごみじゃないでしょ、過去からのごみなんです。自分が落としてしまったものも、災害ごみもあるかもしれない。それを拾う人に対してごめんねって、あなたが落としたごみでないのに。海に対してもごめんねです。ウミガメが、クラゲと間違ってレジ袋食べちゃってたくさん死んでいます。でももう仕方ない。私の人生は少ししかない。だからあなたに任せた、です」
岩田さんのお話をお聴きして、同じ人間として自身の未熟さが申し訳なく、そして感謝の気持ちでいっぱいになりました。私たちにできることは何か質問すると、「団体を寄付や会員になるなどして応援していただけたら嬉しい。そして、足元にあるごみは、地球にあるごみですから、ごみを拾ってくださったらありがたい」とお話くださいました。
ゴミを捨て、海を汚したのは、私達人間です。ぜひ今足元にあるゴミから拾って、一緒に綺麗にしていきませんか?
岩田さんのYouTubeチャンネル